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日別アーカイブ: 2017年6月11日

緊張型頭痛について

緊張型頭痛は、薬に頼らなくても根本的に改善することができます

頭にギュッと締め付けられるような圧迫感があり、首や肩が異常に硬くなっており、毎日が本当に辛い。病院でもらった薬や市販薬を飲んだり、マッサージを受けてもなかなか良くならない。

 

そうやって、数カ月、もしくは何年も緊張型頭痛が良くなっていない状態ではないでしょうか。

 

実は、緊張型頭痛は適切な治療方法を知れば、根本的に回復することができる症状です。

 

このページでは、緊張型頭痛の正しい原因と根本的な治療方法、自分でできるケアの方法など緊張型頭痛を根本的に改善するために必要なことを順番に説明していきます。

 

緊張型頭痛とはどのような症状なのか?

緊張型頭痛の症状は、

 

後頭部を中心にしたジワー、ドーンとした鈍い痛み

・肩こりや首こりを伴うことが多い

・めまい、ふらつき、だるさが起きることもある

・デスクワークをすると痛くなる

・温めたり体を動かすと楽になる

・ほぼ毎日おき、一日中続く

 

などが挙げられます。ひどくなると、吐き気がしたり、常に耳鳴りがしたり、寝られなくなったりして、生活に大きな支障が出てきます。人によっては仕事や家事ができなくなります。

 

ストレス頭痛

緊張型頭痛は「ストレス頭痛」とも呼ばれ、デスクワークや車の運転などで同じ姿勢が続くことや、睡眠不足、運動不足、目の酷使など疲労による身体的ストレス、また、悩み事や不安などの心労による精神的ストレスなどが原因と言われることが多いです。

 

しかし、緊張型頭痛にかかる患者さんには、男女差や職業による違いなどはあまり見られず、子どもから高齢者まで幅広い範囲で生じます。一概にストレスだけが原因とは言えないのではないかと私たちは考えています。

 

もちろん、ストレスの存在を完全には無視できません。しかし、それならばどうしてあなたと同じ職場で同じ仕事をしていても緊張型頭痛になる人とならない人がいるのでしょうか?

 

そもそもの話をすると、ストレスは生きている限り大なり小なり誰にでもかかっています。「ストレス」と聞くと、イヤイヤ仕事に行く姿を想像する方が多いかもしれませんが、大好きなディズニーランドで楽しい時間を過ごすことも体にとってはストレスなのです。

 

ストレスを減らすことはできてもゼロにすることは不可能なので、ストレスだけが原因であれば、それを無くさない限りあなたの頭痛は治らないということになってしまいます。

 

ですから「緊張型頭痛は精神的ストレスのせい」、「ストレスがなくならない限り治らない」ので、うまく付き合って行くしかないという説明が病院でなされたとしたら、それは正しいものではありません。

 

もし、現在あなたの緊張型頭痛がなかなか改善していないとしたら、それには理由があります。正しい原因と治療方法を知り、頭がすっきりと冴えた気持ちの良い状態にしていきましょう!

 

「緊張型頭痛はストレートネックのせい」という間違い

あなたも日常生活を振り返ってみると、遠くを見ることなく下を向いた状態(頭を垂れた状態)で過ごすことが多くありませんか?

 

現在の治療方法で治らない理由 

これらは、病院や鍼灸院、接骨院で指導され、インターネットでも紹介されている、一般的な緊張型頭痛の改善方法です。あなたも行ったことがあるかもしれませんね。もし、これらの改善方法が有効であるならば、あなたはこんなに緊張型頭痛で苦しむことはないはずです。

 

 

筋肉を柔らかくするためにマッサージや指圧、病院や接骨院でおこなう電気治療、ストレッチをおこなって改善されていれば問題ありませんが、痛みを我慢しながら行うようなものは一時的に効いている気がしても、強い刺激で筋肉の組織が壊れてしまうこともあります。

 

すると体は、壊れた組織を回復する際に再び壊されることがないようにと、どんどん組織を強く硬くしてしまいます。ですから、痛みを我慢してマッサージやストレッチを繰り返してきた患者さんほど、筋肉の緊張がより強くなっており、慢性化して改善しづらくなっている傾向にあります。特に痛みのある状態の筋肉に対しての強いマッサージやストレッチはますますオススメできません。

 

また、目が悪い方などは、モノをよく見ようとするあまり、顎を前に突き出す姿勢になってはいないでしょうか。

 

頭を垂れたり、顎を前に突き出す姿勢をとると、頭が背骨の上にきちんと乗らず、首の後ろの筋肉が緊張します。すると、筋肉に引っ張られて首の骨のS字カーブはまっすぐになってしまいます。

ストレートネック

人間の頭の重さは約5〜6kgあるので、頭を垂れる姿勢=ボールング玉を糸で吊るして首にひっかけているようなものです。そんな状態を長きに渡って続けることで、首のS字カーブは失われていきます。

 

病院でレントゲンを撮ってみたら、首の骨が真っ直ぐな状態(ストレートネック)が緊張型頭痛の原因とされることもあるようですが、骨の形は1日や2日でそうそう変わるものではありません。

 

ストレートネックは、「原因」ではなく、日常生活の中で首に負担が積み重なった「結果」であると私は考えています。

 

S字カーブがなくなった首の骨は、頭の重さをうまく支えられなくなります。するとどこかの筋肉がその分頑張らなくてはいけなくなります。例えば、首や肩、背中などの筋肉が、頭が前に倒れてしまわないように、頭が垂れているのとは逆方向に筋肉を引っ張り続けることで、常に緊張状態(コリ)になってしまうのです。

 

緊張型頭痛が治らない理由 「痛くない=治った」の間違い

これまでに来院された緊張型頭痛患者さんの中には「薬を飲むと治るんですけれども、飲まないと痛みが戻ってしまうんです。」と言われる方も多くいらっしゃいました。

 

これには理由があります。薬の種類にもよりますが、これは、薬で緊張型頭痛が治ったわけではなく、薬の作用で神経の働きを鈍らせたために痛みを感じにくくなっただけで、筋肉の柔軟性は変わっていないため、根本的な痛みの解決にはなっていないのです。

 

ですから、痛くない=治ったというのは間違いです。

 

では、一体どうしたら根本的な解決ができるのでしょうか?多くの緊張型頭痛患者さんを見てきた中で、緊張型頭痛を根本的に解消していくための考え方をご紹介します。

 

緊張型頭痛を改善するための3つの治療方法

これまでお話してきたことを踏まえて、緊張型頭痛は正しい原因を理解して、その原因に対して適切な治療をして、再発が起きないような体作りができればきちんと改善します。

 

当院では、緊張型頭痛に対して具体的には以下のような施術をおこなっていきます。

①頭・首・顔周辺の筋肉の緊張を柔軟にする

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出典:一般解剖学

上の図を見ていただくと頭部は筋肉に包まれていることがわかります。頭部を包んでいる筋肉が硬くなってしまうと頭蓋骨(頭の骨)を圧迫します。

 

頭蓋骨には以下の図のように、亀裂のような線がはいっていることがわかります。この亀裂はほんのわずかではありますが、本来は動くはずのものです。

縫合

出典:小顔製作所

頭の筋肉が硬くなると頭蓋骨が締め付けられます。骨の間の亀裂が狭くなり、頭蓋骨の中にある脳にまできちんと酸素が届きにくくなり鈍い痛みが起きると考えています。

 

また、いつも前かがみの姿勢をしていると首の筋肉が頭の重さを支え続けなければいけなくなるため、首の筋肉にはかなりの負担がかかります。結果、首のS字カーブが崩れ、さらなる緊張を生むという悪循環に陥ってしまいますので、首のS字カーブの崩れを引き起こしている筋肉も柔軟にしていきます。

 

緊張型頭痛が起きる際に、目の奥がギューと締め付けられるような感覚がある方は、顔の筋肉が非常に硬くなってしまっている可能性があります。ですから、柔らかくするのは頭部の筋肉だけに限らず、顔の筋肉も重要なポイントです。

 

②首や肩、背中、腰、下半身など、体全体のつながりの筋肉も柔らかくする

さらにいうと、上半身だけでなく下半身にわたって、全身の筋肉を柔らかくして必要があります。

 

理由は以下の図を見ると分かります。

頭痛 筋膜

出典:フィニッシュ回路プラクティック

青色の部分は「筋膜」という、筋肉を包んでいる膜のつながりを示しているものです。この筋膜は全身タイツのように頭〜足の裏まで1枚でつながっています。

 

全身の筋肉のうち、約3分の2は下半身にあると言われています。下半身の筋肉が硬くなってしまうと、筋膜をつうじて上半身にまでその影響がいき、最終的に頭部の筋肉や筋膜を強く引っ張り、締め付けられることで頭痛を起こしやすくしてしまうのです。

 

腰や太もも、ふくらはぎ、足の裏など、一見、頭痛とは関係のなさそうに思える筋肉の硬さも、緊張型頭痛を引き起こしている可能性がありますので、その方ごとに原因と思われる範囲にまで施術の範囲を広げ、お身体を柔軟にする働きかけをしていきます。

 

このように体全体の筋肉の緊張を改善していくことが、根本的な緊張型頭痛の改善につながるのです。

 

③再発防止の方法やご自身でできるセルフケアを伝えます

緊張型頭痛の痛みが軽減されてきたら、ご自身でできるセルフケアもお伝えしていきます。ご自身でもセルフケアを行いながら、施術を受けることでより回復しやすくなります。

 

また必要に応じて、姿勢や体の使い方なども具体的にアドバイスしていきます。体の柔軟性が取り戻されると今まで使われていなかった筋肉がうまく使えるようになって、その人に合った本来の体の動きに戻っていくため、体にとって何をしたら良いのか悪いのかが自分自身でも判断できるようになります。感覚がどんどん鋭くなって行くことで再発防止になります。

 

緊張型頭痛は外から見て、外傷があるわけではないので、周りの人からの理解が得られにくいこともストレスになっていたかもしれません。

 

緊張型頭痛はできることなら、早期に改善したいものです。時間が過ぎればすぎるほど、緊張型頭痛は改善しにくくなってしまうのも事実です。

 

まだまだ、不安もあると思いますが、大丈夫です。一緒に良くしていきましょう。まずは、1人で悩んでいないで私に相談してください。